2021年2月14日日曜日

MXR / M294 Sugar Drive レビュー



2021年、東京の某エフェクターブランドが大炎上した。

その内容というのは中国から購入したKLON Centaurのクローン品(9000円くらい)にモディファイを施し、自社製品として24200円で販売したというもの。発覚後のメーカーの動きがあまりにも残念でそりゃあ炎上して当たり前という内容。

ちなみにモディファイ内容はメーカーは説明しているが詳細不明。その他この事件の詳細はネット検索にてどうぞ。

エフェクターのあらゆる界隈の中でも危険領域となっているCentaur界隈。安易に踏み込むとこういう結果となる。それくらい危険。

本家KLON Centaur自体は現在中古相場で10万円超えも珍しくないプレミアムペダル。年代、筐体カラーなど様々な要因で価格が変動する。

ちなみにCentaurの適正な価格は329ドル。(最後の新品価格)

この中古相場の値上げ競争、もはや宗教にも匹敵する過度な礼賛を製作者本人は良く思っていない。

他、Centaurに関する歴史などは他に紹介しているページや本が山のようにあるので割愛する。

今回紹介するのはエフェクターは3点。Centaurを欲する人が個人的に買うべきと思う商品。最後は実際に自分で買った。


①KLON / KTR

https://www.ikebe-gakki.com/web-ikebe/KLON-KTR/index.html

これは本物。正真正銘Centaurの魂を受け継いだ後継機種。製作者本人が「同じ音になった」と言っているのだから外野がなんと言おうと同じ。(Centaurは個体差が大きい事を考えれば音が違うのは当たり前だが製作者が満足しているならそれが正義。) 32800円税抜。現在輸入元の池部楽器店では品切れ中だが再入荷見込みあり。


②Electro-Harmonix / Soul Food


最安値では新品が税抜1万円を切る恐ろしいペダル。天下のエレハモが生み出したCentaurクローン。完成度は非常に高い。つまみを全部センターにして銀色のCentaurと比較したことがあるがキャラクターは同じ。目を閉じて音だけを聴くとCentaurの同士で若干の個体差の違いと言われても分からないレベル。ただし、DRIVEノブを上げていくとエレハモらしい良い意味の雑さを持つワイルドなサウンドに変わる。ただのクローンではなくオリジナリティを出してくるあたりが素晴らしい。そして一番のポイントは「どこでも売っている」事。プレイヤーであるならこれが超大事。

③MXR / Sugar Drive

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

MXR / M294 Sugar Drive [オーバードライブ]【渋谷店】
価格:13860円(税込、送料別) (2021/2/14時点)


今回個人的に気に入って買ったもの。こちらも天下のMXR。現時点での新品最安値は税抜行き12600円。音はSoul Food同様非常に完成度が高い。

MXR / M294 Sugar Drive

Soul Foodと迷ってこちらにした理由は筐体サイズのみ。やはり小さいは正義だ。このサイズからは考えられないしっかりとしたCentaurサウンド。歪みに原音が混じる独特の音はもちろん、昇圧回路によるレンジの広さも同様。Soul Foodと違い、特有のサウンドと思われる部分は少ない。良く言えば本家に忠実な品。


側面に本家KTRと同様、バッファーのオンオフスイッチが搭載されている。(めり込んでいるので工具がないと触れない。)


比較的コンパクトなエフェクトボードにも収まる。現在ディストーションチャンネルとしてStrymon Riversideと組み合わせて使っている。エフェクターでエフェクターをブーストすると音が細くなったりしがちだが、Centaur系は心配無用なのが嬉しい。こちらもMXRなので、比較的日本中で手に入りやすい商品だ。あと自分の経験上、MXRは故障に強い。


以上、個人的な意見としては、Centaurサウンドを求める人は、
本物が欲しければKTR、クローンで良ければSoul FoodかSugar Driveの合計3点から選べばいいと思う。

他の高額なクローンや高額な本家の中古品(コレクションとして買うなら有り)は自分で弾いた上でピンときたのなら選べばいいと思う。が、個人的には上記のクローン2機種と是非弾き比べて欲しい。(多分量販店ならどちらも置いてあるはず...。)

上記2機種よりも安く(もしくは同等)のCentaurクローンは沢山あるよ、という意見ももちろんあるだろうが、自分はコレクターよりプレイヤーなので、とにかくメーカーの信頼度と手に入りやすさを重視した。
良くツアーに出ているバンドなどは突然の故障の際に同じ機種がどこでも買い直せるというのがどれだけありがたい事か知っていると思う。(エレハモ、MXRに関しては当たり前だが海外でも手に入りやすい)

それも踏まえて自分のエフェクトシステムも「核」となる部分は大量生産品を選ぶようにしている。

冒頭に記載した炎上事件も踏まえ、是非「過度な広告、ネットの情報に踊らされず」に自分の耳を信じて機材を買ってほしいと思う。

(※この記事の内容は個人の感想です)