2019年1月31日木曜日

普段聴いているもの紹介:Nosound

2日連続。

Nosound



イタリア、ローマ出身のポストプログレッシブバンド。

イタリアと言うと勝手にシャレオツでチャラいイメージがあるがそんなイメージをぶち壊すバンド。

彼等の事はPorcupine Treeのレーベル繋がりで知って5、6年、ずっとお気に入りだ。

曲調としてはとりあえず暗く退廃的。それもアルバムによって試行錯誤が見られ、フォーク色の強いもの、プログレ感の強いもの、電子音の強いものと幅広い。

自分の音楽性にも影響を与えてくれたバンドの1つだ。

彼等はポストロックだったりアンビエントだったり聴く人によってジャンルの解釈はバラバラだが、アルバムごとにスタイルが変化していく様はプログレッシブだろう。

上のPVが収録されているアルバムはAfterthoughts。

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このアルバムではバンドサウンドが強調され時に音の壁を感じるほど。
特にドラムのセンスが光っているように感じる。

前述の通りアルバムごとにスタイルが変わるので、暗めの音楽が好きって人はとりあえず全アルバム視聴してみることをオススメする。

しかし日本での知名度は悲しいくらい低い...。

2019年1月30日水曜日

普段聴いているもの紹介:ASPIDISTRAFLY

連日レビュー続きだったので小休止。

決してネタが尽きた訳ではない。

ということで不定期に普段聞いているアーティストなどを紹介したい。

今回はこちら。

ASPIDISTRAFLY


アーティスト表記が全部大文字だったり頭だけ大文字だったり見る場所によって違うのはなんなんだろうか...。

ASPIDISTRAFLYはシンガポールを拠点とする男女二人組のユニット。読みはアスピディストラフライ。
ジャンルとしてはアンビエントフォーク。(公式)

この手のジャンルは暗さとか悲しさとかネガティブ方面の感情を揺さぶるような作風のアーティストが多いが、彼等は少し違う。

ピアノとギターなどによるアコースティクな面が多くフューチャーされており、そのお陰か全体的に優しくノスタルジックな雰囲気に包まれている。
もちろん電子楽器も登場するが、空間を包み込むような使い方(ボキャ貧)で非常に心地良い。

ボーカリストのApril Lee嬢の歌声も完全にマッチしている。
一般的にはアンビエント系の楽曲は浮遊感を最優先してあまりキャッチーになりすぎないボーカルメロディが多い気がする(シューゲイザーとかドリーム・ポップにも通じる)中、ASPIDISTRAFLYはメロディが強い。

もちろん所謂J-POPのようなメロディありきの音楽ではないが、浮遊感を持ちながらもときどきグサッと耳に残るメロディで溢れている。

自分が所有しているアルバムは2枚。買うなら↓のバンドキャンプがオススメ。要Paypal。



というか多分まだ2枚しかなさそう。

とりあえず沢山聴いてみたいという人は↓サウンドクラウドへ。



以上。

2019年1月29日火曜日

Raw Vintage / pure steel saddles レビュー

人によっては気にしない部分。



そう、ストラト用のブリッジサドルである。

買ったまま交換しない人が殆ど(破損時を除く)だと思われる箇所。
実は色々なメーカーから色々な素材や形状のサドルが発売されている。

なぜまだ破損していないサドルをわざわざ変えるのか。

・音が変わる。(良くなるとは言ってない)
・右手の感触が変わる。(プレイスタイルによる)
・弦が切れにくくなる。(物による)
・外見が変わる。(物による)

さあ、変える価値はあるのだろうか。

とりあえず自分は"気になったら変えてみる"タイプなので、迷わず変えた。
チョイスしたのはサドル業界では有名な「Raw Vintage」。

Raw Vintageのサドルはとりあえず傾向としてはヴィンテージ思考だ。
メーカーコンセプト的には素材からメッキの方法に至るまで拘り、ヴィンテージストラトを持っている人が音の変化を恐れずにサドルの交換ができるように、という具合だ。

果たしてどうだろうか。

使用したギターはSuhr / MLピックアップのレビュー記事でも登場したFreedomのストラトタイプ。元々はFreedom製のブリッジとサドルが載っていた。

弦はそのまま流用してサドルを交換。

いざコードを鳴らす。

うん、違いが良く分からない。(糞耳)

原因を探ったが、どうやらFreedomの純正サドルとコンセプトが似ていた、あげく形状も一緒というのが災いしたらしい。
元々のサドルがブロックタイプ(厚いやつ)とか素材違いとか超劣化した状態だったら変化も大きかったかな。と思った。
あとは低価格ギターにありがちな極厚メッキが施されているサドルとか。

ただ、しばらく弾いているとちょっと高音域が目立つような気がした。あとちょっとアンプからの音に金属的な響きが加わった気がする。
どっちも気のせいなのかもしれないが、とりあえず自分が感じられた変化はこれくらい。

どこのレビュー見てもすげえ音変わった的な事を書いてる人が多いので自分は本当に糞耳なのかも。

付属しているサドルのコマのイモネジは若干長めに感じ(これが一般的には標準なのかも)、ブリッジミュート時に手が痛かったので全部短めのステンレスに変えた。

よくよく考えたらヴィンテージサウンドなんて全く興味が無いのにこれを買った意味が自分でもわからん。

ちなみに実は交換して1年位使用しているが、錆びた。(錆に強いとは元々言ってない)
演奏後はちゃんと綺麗に拭こうね!

という事で金銭的余裕のある時にグラフテックのストリングセイバーに交換しようと思う。あれは変えたての音はちょっと暗めだけどサスティーンも良く伸びるし弦も切れにくくなるのでいいものだ。

※ストリングセイバーは種類が複数あるが、個人的にはこの弦に当たる部分だけ素材違いのやつが好き。

ストラトのサドル、とくにこういう薄いタイプは弦が当たる部分の溝が深くなってくると弦が切れやすくなるのでそのタイミングでとりあえず試すのはアリ。

買ったばかりの新品のギターなのに「これに変えればボクのギターもヴィンテージサウンドに!」と過度な期待をして交換するのはオススメできない。自分のように買ったギターはとりあえず改造しないと死んでしまう人種であれば、先にピックアップやら変化の大きい部分を変えて、最後の仕上げにでもどうぞ。

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※弦間ピッチの違いで2種類あるので買う時は注意!

2019年1月28日月曜日

BOSS / OD-1X レビュー

次世代のデジタルドライブ2回目。

BOSS OD-1X


★一回目はこちら(BOSS / DS-1X レビュー)

業界に蔓延する懐古主義へのBOSSからの挑戦。
あえて過去の名機OD-1の名を冠したのは何故か。

そもそもOD-1とは、1970年台にデビューした業界初(多分)のオーバードライブ。
当時歪みといえばアンプを大音量で無理やり歪ませるか、エフェクター「ファズ」を使うのが一般的だったそうで。
ファズの音が気に食わなければアンプを大音量で歪ませるしか選択肢が無かった。
そんな中でアンプのドライブサウンドをコンパクトエフェクターで再現するという革新的な1台として登場したのがOD-1。

自分は残念ながらその頃まだ産まれていないが、当時ギタリストだったとしたら歓喜したはず。

そしてOD-1は少音量でもアンプのドライブサウンドを実現できる。更に既に歪んだアンプに繋ぐと激しい歪みを作れるという事で大ヒットとなったのは容易に想像できる。

OD-1についてはあんまり語るとマニアから「それは違うだろ!」と突っ込まれそうなのでここまで。

当時産まれてないんで半分推測で物言ってます。許してクレオパトラ

そんなこんなでOD-1Xの話へ進むと、デジタルドライブでありながらもOD-1の名前をつけるという挑戦的姿勢に惚れ込み勝手に期待していた1台。

とはいえいざ発売される頃には熱も冷め、結局購入したのは随分後で、DS-1Xがあまりにも良かったからこっちもいいだろうと中古品をロクに試さず購入。

結論から言うと、これはいいものだ(マ・クベ)

DS-1Xでもドライブを控えめにすればオーバードライブっぽくはなるのだが、
その音とはぜんぜん違う。

コード(和音)を弾いた時のジャキっとした気持ちよさはコチラの方がやはり上。
DS-1Xより歪みがマイルドな分余計にクリアさが際立つ。
デジタルならではのノイズの少なさも良い。

ドライブを全開にすると結構歪むのだが、あくまでもオーバードライブらしさは失わない。そして意外にも音が細くならない。ここまでやるとさすがにノイズは結構乗るが。

2バンドのイコライザーの効きも申し分なし。
そしてDS-1Xと同様、全部の弦、全部のフレットの音に均等さがある。
これはブースターとして使用した時にも活かされるので好きな人は堪らないはず。

シングルコイルPUのギターでのバッキングはまるで波に乗り続けられるサーフィンのよう。(適当)

自分も時間を忘れてカッティングオヤジ化してしまった。


ただ、やっぱり万人受けする音ではない。
ヴィンテージ大好きオジサンはきっと弾いた瞬間に吐く。

オーバードライブはやっぱりナチュラルでちょっとモコッとした音じゃないと...。
っていう人は避けるべき。

しかし、BOSSの次世代へのチャレンジを暖かく見守りたいというのであれば一度は弾いてみて欲しい。

信者の多い機種の名前を冠するという事はメーカーの信頼を失うというリスクを伴う。
「安易に人気機種と同じ名前を付ければ売れると思っているだろ!」てな具合に。

それでもBOSSがこの機種が歴史を塗り替え、次世代のスタンダードとなるよう祈って「OD-1」という名前を付けたのだ。

その心意気を是非感じてみてもらいたいと思った。




2019年1月27日日曜日

Suhr / ML Standard レビュー

素晴らしいバランス。

Suhr ML Standard

Suhrピックアップ2回目。

前回のレビュー(V70)はこっち。

今回はSuhrピックアップの中でも多分一番人気の機種「ML」。
MLとはギタリストマイケル・ランドウの名前を冠したモデルで、同社のV60ピックアップがベースになっている。

マイケル・ランドウについては詳しくないので語らない。
業界ではジョン・ペトルーシ同様、マイケル・ランドウの名前が入っていれば間違い無いと言われているとか。ただしVertex、テメーは駄目だ。

MLピックアップはStandardとClassicの2機種がラインナップされている。
自分が愛用しているのはStandard。

先にClassicに触れておくと、こっちはマイケル・ランドウが所有している63年製ストラトの音を限りなく再現したモデル。パワーを抑えあくまでもヴィンテージ感に拘ったモデルに仕上がっている。
同じように見えるV60は60年台のストラトの音、という記載なので、V60とML Classicは音は近いけど別物。という事になる。

ではStandardはというと、これはSuhr流のモダンヴィンテージ。
60年台の音をベースにパワーを上げて音も太めに。
凄いポイントはパワーの丁度良さ。シングル特有の綺麗なクリーントーン。歪ませれば一気に分厚いサウンドに。
程良いコンプレッション感でとにかく弾きやすい。

このギター(FREEDOM)には元々Voodooピックアップ(型番不明)が乗っていたのだが、あちらはヴィンテージ色が強すぎて音作りが難しかった。
クリーン~オーバードライブまでは良いのだが、ディストーションになるとどうしても"痛い音"になりがち。

それに比べるとML Standardは本当に扱いやすい。
ディストーションサウンドでは太く、それでいてシングルらしい繊細さも失わない。

フロント、センターの音の良さはもちろんだが、一般的に音作りの難易度が高いリアポジションもトーン全開で使える。さすがにハムバッカー程の扱いやすさは無いが。

ピッキングのニュアンスも素直に出るのでハムバッカーに比べればやはり演奏には気を遣う。
それがストラトの好きな所でもある。

変な音の癖は無いので誰にでもオススメできる。

価格もダンカンディマジオに比べればやや効果だが所謂「ハンドワウンド系」ピックアップに比べれば安い。しかも個体差も限りなく少ない。

ストラト用ピックアップは(一部ハイパワー系を除き)どうしても"どこかの年代のフェンダーの音のコピー"というモデルが多いので、こういう独自路線に攻めたモデルは数が少ない。

ストラトで幅広いジャンルを演りたいって人は是非。

マイケル・ランドウ参考動画
(ファンではないのでチョイスに問題があっても勘弁。)




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Suhr Guitars(サー・ギターズ)ML Standard Single Coil Pickup
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2019年1月26日土曜日

BOSS / MT-2W レビュー

やったぜ。

BOSS MT-2W

とりあえず歪めば良いと思っている名機メタルゾーンは確か90年とか91年位に登場した。
BOSS製品の中ではDS-1に次ぐ歴代売上を誇る世界的人気モデル。売上のソースはここには無い。

アホほど良く歪み、ノイズも少なくハウリングにも強い。そして異様にEQが良く効く。
挙げ句ミドルは帯域も調整可能とどんなギターを繋いでも僕達を鋼鉄の世界へと導いてくれたメタルゾーン。

そんなメタルゾーンがまさか公式の手で進化しようなんて誰が想像しただろうか。

というのもメタルゾーンはアナログ回路故にモディファイ品が既に多く市場にあったからだ。
有名どころで言えばKeeley。あとはANALOGMANとかWEEDとかSPIとか挙げ出したらキリがない。

だから今更公式が出してくるなんてハッキリ言って異常だ。(褒め言葉)

という事で「BOSS MT-2W metal zone 技 WAZA CRAFT」。どうなのか。

まずは基本的なスペック。

元々BOSSのエフェクターはバッファー搭載だが、技シリーズには新たに設計されたバッファーが搭載されている。
今までのバッファーを原音重視だとすれば、技バッファーは少し音が変わる。
艶が出るというか派手になるというか。多分大体の人が変わったと実感できるはず。

あとは内部のパーツ類も技チームによって厳選された物が搭載されているようだが、
まあ弾き手にとってはどうでも良いよね。使ってるパーツが良くなったとだけ思っておけば。

コントロール的な部分は殆ど従来のメタルゾーンと同一だが、唯一中央下部にピンスイッチが増設されている。

このピンスイッチで...。

・従来のメタルゾーンサウンドがベースのスタンダードモード
・現代的なハイゲインディストーションに進化を遂げたカスタムモード

2つのモードの切り替えが可能だ。やったぜ。


実際弾いてみるとスタンダードモードの時点で結構違う。
確かにメタルゾーンの音なのだが、ノイズが少なく感じる。あとレスポンスも良くなっている。キャラクターとしては個人的にMXR(EVH)の5150オーバードライブを思い出すザクザク感のある音。旧メタルゾーンの音がそのままではないので注意。
それで文句言う人は居ないか。

カスタムモードは素晴らしい。
高級なハイゲインドライブに匹敵するレンジの広さ、そしてノイズの少なさ。
どうやらミドルの帯域もスタンダードとカスタムで変動するらしく、カスタムモードの方がよりモダン系のメタルサウンドが作りやすい。
程良くコンプレッション感を抑えレンジが広がった事で多弦ギターでも低音が殺されない。
EQを使いこなせればDjent的なのもイケそう。
単音を弾いた時にやや音の細さを感じたが、ハイゲインディストーションの宿命でもあるので全然許容範囲。

よく高級な機種にありがちだが、「アンプの歪み」を求めてコンプレッション感を抑えて音をオープンにしすぎると当然弾き手は弾きにくいと感じてしまう。
そしてそういう機種は大体小さなアンプや小さな音量では良い音にならない。
かといって逆にコンプレッション感を強くすると弾きやすいのだが音が細くなってしまう。そしてバンドのアンサンブルに埋もれる。

技メタルゾーンはその調整具合が非常に上手い。

カスタムモードの音はまさに「コンプレッション感を程良く抑えたオープンだけど弾きやすい」音。
自宅でもスタジオでもちゃんと使える音に仕上がっている。

ちなみに「Keeleyのモディファイ品(Twilight Zone)と比べてどうよ」
という声もどっかで聞いたので書いておくと、個人的には技メタルゾーンの方が好き。

Twilight Zoneは3モードで簡潔に書くと

・ローとミドルを強化したメタルゾーン
・もっと歪むローとミドルを強化したメタルゾーン
・コンプレッション感薄めのアンプっぽい歪み

だった。(と思う。)

どのモードも良い音だったが、ちょっと音作りの難易度が高い。
とくに三番目の「コンプレッション感薄めのアンプっぽい歪み」のモードに関しては音がオープンすぎて扱いにくい。確かにアンサンブルの抜けはいいのかもしれないが、単純に「うるせえなコレ」と思ってしまった。

という事で音作りも比較的しやすい技メタルゾーンをおすすめしたい。




2019年1月25日金曜日

MXR / M264 FET DRIVER レビュー

日本では影の薄いやつ。

※画像引用:Dunlop公式


まずFETとは、簡単にいうと電子パーツ、トランジスタ。

あとはよくわからん。終了。


FETはエフェクター界隈では真空管アンプっぽい音をエフェクターで再現するのに使われていたりする。

という事でこのFET DRIVER、いつものMXRサイズの筐体で真空管アンプのような歪みを作るというコンセプトのオーバードライブである。

真空管内臓のオーバードライブと言えば、エリック・ジョンソンやデイブ・ギルモアの使用でおなじみのTUBE DRIVER。


ちなみにこのTUBE DRIVER、もう手に入らない的な事を言っている人もいるが、
海外で普通に売っている。上記動画の物も恐らく現行品。※メーカー名はBK Butler。

Butler Audio ※海外サイト

Paypal決済にも対応しているのでいつか欲しい。

話題が逸れてしまったが、MXR FET DRIVERはこのTUBE DRIVERを意識したペダル。のはず。

このモデルのプロトタイプの画像を見たが、もっとTUBE DRIVER寄りのルックスだった。

TUBE DRIVERを弾いたのは遥か昔なので音が思い出せなかった。残念ながら比較は出来ず。なのでFET DRIVERだけの感想を。

まずいつも通りにレベル以外は12時の設定。アンプはクリーン。
いわゆるジャキっとした切れ味の鋭いオーバードライブトーンでは無く、中低域がすごい。とにかく音が丸い。

テレキャスでジャキジャキと軽快にカッティングするような音には全く向かない。
そういう人は素直にブルースドライバー買うべし。

ドライブを上げていくとまるで音割れのように荒々しいファズ寄りの音に変化していく。
低音弦の音がブーミーになりやすく、EQも含め、セッティングは非常にシビア。Hiは上げすぎるとチリチリするし、Loは上げすぎるともはや何弾いてるのか分からなくなる。

真価を発揮するのはやはり単音。ストラトで弾いてもかなり太い音。伸びも良い。
中央のハイカットをONにすれば更に音が中域に寄る。EQはフラットで良いと思う。

JCM800とかのマーシャル系アンプを少し歪ませてこのFET DRIVERでブーストしてやるとエリック・ジョンソンっぽくなる。
ギターはストラトのリアピックアップ(トーン絞り気味)だと最高。

ハムバッカー搭載ギターで使用したら低音が暴れて収集つかない予感がしたが、
実際弾いてみると歪みの粒がストラトの時より細かくなった印象。全然使える。
ただやはり低音弦の扱いは難しい。やっぱり単音向け。

★総評★

良い点
・ストラトで弾いてもかなり太い音。
・ファズっぽい音も作れる。
・筐体がびっくりするほど軽い。

悪い点
・使うアンプも含めセッティングが難しい。
・音数の多いコード(和音)弾きには向かない。

この1台でバッキングもリードも、というのは困難。
バッキング用に別のエフェクターを用意してこれはリード用に割り切ったほうが良い。

ストラトやセミアコ繋いでフェンダーアンプにプラグインしてドライブ下げ目でブルースのセッションとかに使ったらめっちゃ気持ち良さそう。

個人的にはこの万人受けしない扱いの難しさがMXRらしくて好き。




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2019年1月24日木曜日

BOSS / DS-1X レビュー

歪みエフェクターの革命児。

BOSS DS-1X

世の中の歪みエフェクターに飽き飽きした人へ。
もう2019年、いつまでTS系だのOD-1系だのケンタウロス系だの言って新製品を作るつもりなんだろうか。
歪み系ってクローン、コピー、インスパイアばかりで一体いつになったら「本当の意味で進化」するんだろう。

そんな事を思っていた人も多いはず。

実は既に進化を遂げていた。2014年に王者BOSSの手によって。

それが「DS-1X」と「OD-1X」の2機種。

名機DS-1とOD-1の名前が使われた事で発売前から騒ぎになっていた事を思い出しますが、いざ発売されてみると思ったより反響が無かったと記憶しています。
(あくまで他のBOSS新製品に比べてですが。)

その理由は個人的にこの2種類のXペダルが"デジタル回路"であった事が原因かと思った。

というのもこの業界、いまだに"アナログ支持者"がかなりの数を占めていて、
この2機種に関しても詳細なスペックが発表されると「なんだデジタルかよ。名前に騙された。」という感じの声を多く見かけた。
そして実際に試すことも無く...。というパターンではないかと。

自分自身も発売されてしばらく眼中に無かった。
それは単純にラウド系バンドマンであったから。当時はハイゲインを謳っていないディストーションに用が無かったのである。

今思えば本当に後悔している。発売とともにちゃんと試して買っておくべきだった。

先述したようにアナログ支持者の多いこの世界、特に歪みエフェクターに関してはデジタルといえばLine6に代表されるようなアンプシュミレーター、もしくはマルチエフェクターの内蔵エフェクトが一般的で、コンパクトエフェクターで「これはデジタルの歪みだ」と大々的に謳っていた商品は本当に少ない。

DS-1Xはそんなアナログ至上主義の世界にあえてデジタルらしさを徹底的に求めた1台だ。
名前こそDS-1だが、あのDS-1らしさは微塵もない。
これはBOSSから楽器業界、特に歪みエフェクター界隈への挑戦だと思う。

クリーンなアンプに繋いでツマミをレベル以外12時にして試す。
そこからは驚きの連続だった。
音が似ている歪みエフェクターが思い出せない、というか存在しない。

DISTつまみ12時でかなり歪む。正確には歪んで聞こえる。
これは弾いている側しか分からないのかもしれないが、1弦から6弦まで1フレットから最終フレットまで均等に歪む。
所謂ハイゲインディストーションにありがちなコンプレッション感が限りなく薄い。
ハイゲインなセッティングなのに原音を感じる程にクリアー。音の分離感が異常レベルで良い。
一般的なディストーションではまず有り得ない現象が起こる。
音量を上げるとまさに音の壁を感じた。

ノイズは無いという事は無いが、歪み量を考えると極小の部類。



基本的にハイゲインだが、従来のメタル系とは違う歪み方なので、
DISTツマミの具合で軽いクランチサウンドまで構築可能。
そして中央の2BAND EQ、これは可変幅は広いが正直効き過ぎのレベル。
個人的にはどちらも12時より右には回さないほうが良いと思う。引き算でのイコライジングをオススメしたい。

そしてDS-1X、ディストーションでありながら歪んだアンプへのブースターとしてもいい仕事をする。
アンプの元々の音にリッチな中高域がプラスされ更にゲインアップも図れる。
お陰でトータルの歪み量が増しても音が細くなる印象無し。

単品でも、アンプの歪みや他の歪みエフェクターと組み合わせても大活躍。

歪みエフェクターの世界は止まっているようで実は2014年の時点で確かな進化を遂げていたのである。


2019年1月23日水曜日

VeroCity Effects Pedals / Uver レビュー

Twitterをやってるギタリストなら一度は名前を聞いたことがあるのでは?
という位最近流行っているブランドのディストーション&プリアンプ。

VeroCity Effects Pedals Uver

VeroCity Effects Pedalsについて

メタルバンドVIGILANTEのリーダーでありギタリストのHiroshi Omoto氏がCEOを務める国産エフェクターブランド。
都内某楽器店の取扱開始と共にじわじわとネット上の口コミで人気が広がり支持者をどんどん増やしているブランド。

個人的にはメタルバンドのプレイヤーがCEO、って言うだけで何故か信用できてしまう。
メタルギタリストほど機材、特に「歪み」に情熱を注ぐ人種は他に居ないと思っている。
市場に出回っているギター用機材の中で、メタルに特化した物(ギター本体もそうだが、アンプやエフェクターも)はやたら多い。
世の中そんなにメタラーが多いのかと勘違いしてしまうレベル。

それだけメタルプレイヤーは機材へのコダワリが強い人が他ジャンルに比べて多いと思う。

個人的な事だが、基本的にハンドメイド(ブティック)系のエフェクターは好きではない。具体的にブランド名は出さないが、作り手のコダワリがプレイヤーを置いてきぼりにしている物が多い。
どんなレアなパーツやを使おうが外観を奇抜にしようがプレイヤー目線ではどうでも良く、出音と操作性と耐久性が全て。
そこを理解できなければプレイヤー人気は獲得できない、プロが使うなんてもっと有り得ない。

海外のプロギタリストのエフェクトボードがBOSSコンだらけなのは音が個体差も無く安定しているし壊れないし何よりどこの国に行っても売っているというのが大きいはず。

実際自分のエフェクトボードもハンドメイド系は極力避けBOSSやTC、ZOOM等の大手工業製品(大量生産品)で大半を占めている。

そんな自分がハンドメイド系ブランドの「VeroCity Effects Pedals」に手を出したのは作り手がプレイヤー(しかもメタラー)だから。単純にそんな理由だった。
しかもVIGILANTEという国内外で活躍するバンドのギタリスト。ちなみにバンドのもう一人のギタリストであるKazuaki Horie氏もVeroCityのエフェクターを使っている。
となればこのブランドのエフェクターは間違いなくプレイヤー目線で作られている!と勝手に思った。


バンドもカッコ良い。

で、購入したのは写真の「Uver」。
名前の通りBogner / Uberschallをモデルにした1台。
詳細は企業秘密だと思うが、謎の技術でUberschallサウンドをこのコンパクトサイズに収めたとの事。

自分は元々Uberschallが大好きだが実機を買う金も家で弾く環境も無かったため、
ずっと良質なUberschallシミュレーターを探していた。
Line6のPODシリーズであったり、Bogner本家のUberschallペダルであったり、どれも良かったが、結局最も再現率が高かったのはKemperのプロファイルだった。
実機から音を録ってるのだから再現度が高いのは当たり前だが。

ただKemperは持ち歩くのは面倒臭い...と思っていたところに突如現れたVeroCity「Uver」。
とにかく再現度が高いという事で、お店で試す。
決してエフェクターとしては安い金額では無かったが、気が付けば購入していた。

そんなこんなで1年以上使っているのでレビューを。

まず、このモデルはディストーションだが、アウトプットジャックを半差し状態にするとプリアンプにもなる。
これでアンプのリターンやパワーアンプに接続可能。

(巷にはプリアンプと書いてあるのにリターン接続出来ないエフェクターもある。そういうやつはプリアンプと名付けないでほしい。)

ディストーションとして使っても既にUberschallっぽさ全開だが、
やっぱりプリアンプとして使うと凄い。
100W以上のアンプのリターンに繋げば本当にUberschallを弾いているのかと錯覚するほど。
再現度はKemperに余裕で匹敵する。(Kemperと比べるのもアレだが。)

電源も公式では記載が無かったが9V-18Vまで対応しており、9Vではアンプ系サウンドにエフェクターらしい程良いコンプレッション感がプラスされた弾きやすいサウンド。
18Vでプリアンプ使用すると音がかなりオープンになり、実際の真空管アンプに近い挙動となった。多弦ギターでも余裕の低音。音作りは難しくなる。

現在は18Vでプリアンプとして使用し、前段にBOSS / DS-1Xを繋いでブーストしている。

本体にもブーストスイッチは付いているが、18Vプリアンプ状態では音が太くなり過ぎて扱いが難しいと感じた。実際のアンプ同様に前段に適当なエフェクター置いてブーストするのが個人的には良いと思う。

ディストーションエフェクターとしてインプット接続している場合はブーストもかなり良い具合に働いた。

イコライザーは実機同様あまり強烈に効くタイプでは無い。そこまで再現しているとは。
持論として、アンプのコントロールがフルフラットが一番良い音だと思っているので、Uverでも基本はフルフラット(12時)。使うギターによってゲインとトレブルだけ11時位に下げる。

BOSS / DS-1Xと組み合わせた音で録った動画。↓



スマホマイクの音質でカバー動画なのが申し訳ないが、Uberschallっぽい切れ味のある音がきっと伝わるはず。ちなみにKemperのパワーアンプを使用してオレンジの1発キャビで鳴らしている。

気になる人は楽器店で試すのも良いが、できれば(持っている人に借りるなどして)スタジオの4発キャビで大音量で試してもらいたい。
自分はとりあえず2017年の夏くらいから使っているが故障、トラブルは無し。
飾らないシンプルな外観、扱いやすいコントロール、納得の音。
粗探しをするならエフェクターとしては高額な価格だが、アンプを1台買ったと思えば激安である。

Uver、ちょうど楽天では取り扱ってる店がなかったが、VeroCity Effects Pedalsのサイトで直接注文も出来るようなので自分のようなUberschall好きは是非。
ハイゲイン系のアンプモデルはもちろん、クリーンアンプのモデルやベース用もあり、幅広いジャンルのプレイヤーにオススメしたい。

叩くポイントが無くて露骨なマーケティング記事になってしまった...。


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2019年1月22日火曜日

Ovaltone / -鵺- NUE DEVICE BIANCO レビュー

ここ最近盛り上がっている日本国内ハンドメイドエフェクターブランド。
その中でも評価の高いOvaltoneの画期的商品を買ってみた。

NUE DEVICE BIANCO

ちょっと前にTwitter上などで結構話題になったやつ。

-鵺- NUE DEVICE

ROSSO、NERO、BIANCOと3種類がラインナップされている。
今回試したのは最も高額な「BIANCO」。写真では既に汚いハンダ付けで取り付けてしまっている...。

NUE DEVICEは3種類それぞれ「サウンドキャラクター、色、価格」が異なる。
メーカー解説を纏めるとこんな感じ。

ROSSO (赤)・・・標準モデル
NERO (黒)・・・低域寄りに味付けしたROSSO
BIANCO (白)・・・ブライトで音の立ち上がりが良い

で、そもそもNUE DEVICEとは何かというとギター(ベース)のトーンコンデンサーと同じように使用可能なパッシブエフェクター。
外見はでっかいコンデンサーだが容量などの数値が無く、パッシブ回路であればギターのスペック問わず搭載可能。(EMGやプリアンプ搭載のアクティブ回路は使用不可)

メーカーコンセプトとして「ヴィンテージコンデンサの劣化特性を再現」との事。

使い方は簡単、元々付いているトーンコンデンサーを外して替わりに付けるだけ。
(一般的なストラトの場合は上の写真を参考に。)

今回取り付けたのはFREEDOMのストラトタイプ。
ピックアップはSuhr ML x3、ヴォリューム、トーン(フロント)、トーン(リア)の構成。
この場合NUE DEVICEの影響を受けるのは(多分)フロントとリアのピックアップになる。

取り付けてトーン全開のフロントピックアップで適当に弾いてみると、なにやら明らかに音が違う。
感じられた変化はこんな感じ。

・コンプレッション感(圧縮感)が薄れた。
・ピッキングニュアンスが今まで以上に出しやすくなった。
・裏バネの反響音、ボディの鳴りなどがアンプからもよく聞こえるようになった気がする。
・少し高域が目立つようになった。

ちなみにトーンの効かないセンターピックアップとハーフトーンでブレンドしても何も問題は無かった。

NUE DEVICEで個人的に最も真価を発揮するポイントはトーンを絞った時だと思った。
メーカー解説にもあるように、トーンを絞りきっても音の輪郭が残りボヤけない。ピッキングのアタック音もちゃんと残る。
これを活用してストラトのリアの音作りの難しさを解消可能。
特にハードに歪ませた時にトーンを絞ってあげれば耳に痛い高域が抑えられて中域が目立ってくる。しかもモコモコサウンドにならずに。
ストラトでハイゲインおじさん歓喜。

そのかわりエリック・ジョンソン的なリアピックアップの音は作るのが難しくなる。そこは注意。

総評としては、良くも悪くも音は絶対に変わる。
ただ、音が変わるという事は必ずしもプラスの方向に変わる訳ではない。←重要
取り付けは簡単だし容量なども気にしなくていいのでとりあえず試すのはアリ。

ちなみにパッシブ回路ならベースでも使える。

価格は高めだが、高額なヴィンテージコンデンサーを買っても「大して音変わんねえじゃん」になる可能性がある事を考えると、良くも悪くも絶対音が変わる分納得は出来る。

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2019年1月21日月曜日

Dunlop / John Petrucci Cry Baby Wah [JP95] レビュー

ジョン・ペトルーシの名前が付いている商品は基本的に良い。
と一般的に言われているが、ワウはどうだろう。


とりあえず外見はパーフェクトにカッコいい。
サイズは一般的なクライベイビーと同一、カラーは写真じゃ綺麗に写らないけどブラッククローム的な色。指紋が超目立つ。重い。


エフェクトON時に青色LED点灯。これ地味に嬉しいやつ。しかも両サイドに搭載。嬉しいやつ。
BOSSのPSA-100アダプター(新型)も問題なく差さる。
昔はBOSSのアダプターと相性悪いワウがあって地味に困った。RMCのワウとか。

ジョン・ペトルーシは元々クライベイビーのラックワウを愛用していて、
今回のJP95はそのラックワウをベースに更にペトルーシの好みにチューニングされているとか。

裏蓋を開けると...


みんな大好き内部トリマー。
VOLUMEと6バンドEQを搭載。あとどっかでQも弄れるはず。
出荷時はペトルーシセッティング。
ディストーションサウンド中心なら特に変えなくても良いかも。
ここ上手く調節できれば多分オールジャンル使える。

ちなみにバイパス方式は「True Hardwire」との事。

あと3.2khzトリマーの上のスライドスイッチは製造テスト用だからNORMポジションから触るなとの事。それならもっと見えないところに付けてほしい。スイッチがあったらとりあえず触れたくなるでしょうが。



音の方はやっぱりすごかった(小並)
ハイゲインセッティングだと本当に分厚く悪い音がする。

ワァゥ~って感じが一般的なモデルだとしたら、キョゴゥワゥェ~って感じ(幼児退行)

出荷時の設定だとボリュームもややブーストする設定になっているので早弾き時に使うと上手くなったと勘違いする。

ワウはボード内で繋ぐ位置はカッチリとは決まってないけど、より悪い音にするために歪みの前が良いかも。

個人的にはヴィンテージ系のワウよりもこういう何でもできちゃう系の近代的ワウの方が好み。

★良いところ
・外見がカッコいい。
・LEDインジケーター付き。
・裏蓋を外せば幅広いセッティングが可能。

★良くないところ
・指紋だらけになる。多分マメに拭かないとメッキが死んで錆びる。
・重い。
・値段が高い。
・さすがにヴィンテージ系サウンドは作れない。

そもそもヴィンテージ嗜好の人はペトルーシシグネイチャーの時点で買うわけないのでマイナスポイントでは無いか。

定価38,000円、新品売価の相場は税込み28,000円前後。
ちょいちょい2万円ちょっとの特価品が出回ってるようなので、その時がチャンス。
(筐体の塗装の都合上中古品はあまりオススメできない...。)