2021年6月28日月曜日

FENDER ULTRA NOISELESS HOT STRATOCASTER PICKUPS レビュー

フェンダー ウルトラノイズレス ホット ストラトキャスターピックアップ

.....商品名長すぎな。


FENDER ULTRA NOISELESS HOT STRATOCASTER PICKUPS

これが今回の犠牲者。
気がついただろうか。既に搭載されているピックアップと外見上の違いが無い事に。

これが機材好きの悲しい性 -SAGA-

という事で、今回はフリーダムストラトタイプに現在載っている「FENDER GEN4 NOISELESS」から交換。

外見上の違いはピックアップに書いてあるの文字のみ。
写真だと分かり難いが、GEN4は銀色、ULTRAは金色。

ULTRA NOISELESSはその名の通り、現在FENDER USAのフラッグシップ機となっているアメリカンウルトラシリーズのストラトに搭載されているもの。
「HOT」と「Vintage」で2タイプ用意され、ギター本体が3シングルのモデルには「Vintage」、HSSのモデルにはフロント、センターに「HOT」が搭載されている。

スペック的にGEN4からどのように変わるかというと、

●GEN4 NOISELESS
マグネット:アルニコ5
直流抵抗値:10.3k (全ポジション)

●ULTRA NOISELESS HOT
マグネット:アルニコ5
直流抵抗値:12.3k (フロント、センター)、21.6k (リア)

※直流抵抗値・・・ピックアップのパワーの"おおまかな"パワーの目安とされている。直流抵抗が高いほどパワーが大きくなるが、一般的に高音域が死ぬ。一般的にはストラトで6.5k~ハイパワータイプでも12.0k前後、ハムで8.0k~17.0k位が多い。

という事で、普通に見るとGEN4の時点でストラトとしては充分にハイパワーなのだが、このULTRA NOISELESS HOT、リアの直流抵抗値がイカれている。

数字だけ見るとシングルサイズハムバッカーもびっくりの異常値だが、
上記の※でも記載した通り、直流抵抗値はあくまでも"おおまかな"パワーの目安であり、
実際のところ、使用している磁石や強度、巻かれているワイヤーの太さ、その他諸々の要素が絡んでくるので、数字がヤバいからと言って音も桁違いにヤバい(語彙力の喪失)とは限らないのだ。

だが、とりあえずこれまでのFENDER純正ピックアップの中ではトップクラスにハイパワーなモデルであることは間違いない。

FENDER ULTRA NOISELESS HOT STRATOCASTER PICKUPS

ぱぱっと載せ替え。
リアだけ背面のデザインが違うのが無駄にカッコいい。特別感ある。SFっぽい。

ちなみに、説明書ではボリューム(トーン)ポットの抵抗値は250KΩを使用していたが、
フロントセンターはともかくリアは明らかに高音が死ぬと想定されたのであえて500KΩを使用した。
この辺はFENDERのノイズレス系ピックアップの話ではよく話題になるが、
正直完全な正解は無く、最後は耳での判断となると思っている。

コントロールレイアウトに変更は無し。ボリューム、フロントトーンとリアトーン。
トーンにはコンデンサーの代わりに引き続き「NUE DEVICE BIANCO」を搭載した。


肝心のサウンドの方はどうなったか。元々載っていたGEN4と比較すると...

●リア:明らかにパワーが上がった。が、クリーントーンで強く弾いてもギリギリ歪まない程度に収まっている。ストラト特有のダイナミックレンジの広さ、レスポンスの良さは思ったより充分に感じられる。
普段のクリーントーンのセッティングはそのままハイパワーなハムバッカー搭載ギターで弾くと音が歪んでしまうので、この時点でハイパワーハムバッカーよりは大人しい事が確定。500KΩポットの影響か、やや高域が気になる。トーンを絞ると丁度良い。

●フロント、センター:GEN4よりほんの僅かのパワーの向上を感じる。これはカタログの直流抵抗値から想定した通り。500Kポットの影響か高域がやや痛い。

という事で、大体自分の想定していた通りの結果となった。
ノイズの量は高域が出るようになった分だけ全ポジションGEN4より増えた。
これは250Kポットを使用していれば問題ないと思う。

リアに関しては500Kポットの使用は正解だったと自分では思うのだが、
フロントとセンターはちょっと気になるレベルで高域が出るようになったのが悩みどころ。
かと言って250Kにするとリアは低域出過ぎになる可能性が高い。
機会があれば特殊な300Kポットなど手に入れてみようかと思う。
が、このギターを使うバンドの曲は全曲ハイゲイン、
リアの使用が9割なので現状でも充分満足する結果にはなっている。


まとめると、ULTRA NOISELESS HOTのリアピックアップは「ストラトらしさが残るギリギリの範囲でかなりハイパワーなピックアップ」だと言える。

巨大なポールピースを備えたシングルコイルやハイパワーを謳うシングルサイズハムバッカーにはパワーでは及ばない。
当然、ハイパワーなハムバッカーには遠く及ばない。

「ストラトらしさが残るギリギリの範囲でかなりハイパワーなピックアップ」なのだ。(重要)

あくまでもFENDER純正のピックアップであること、それは同時に
"ストラト用ピックアップとして売られる以上、「ストラトらしさ」を完全に失ってはいけない"というコンセプトの元で制作されているのだと改めて思った。(適当)

パワー感とストラト感の両立。かなりギリギリの範囲ではあると思うが完成度は高い。
FENDERのこの辺りのバランス感覚の良さが個人的に気に入っている。

でも実はFENDERのギター1本も持ってないんだな。



2021年6月27日日曜日

【Guitar Cover】 VEIL OF MAYA - Mikasa と ストラトでメタルをやる事について


今回カバーしてみたのはVeil Of Maya。BPM220の3/4。忙しい。

このギターはSchecterのストラトタイプ。正式名称は「California Vintage Traditional Standard AD-CAVT-ST-STD」。めっちゃ長い。
メインギターとして既にフリーダムのストラトタイプがあるのでこちらは変則チューニング用としている。現在はドロップB。

定価10万くらい。自分は某所でチョイキズ大特価として半額くらいで買った。
外見と音は完全にトラディショナルなストラトタイプだが、薄い艶消しのネック、妙に真っ平らな指板、同社のヘルレイザー並の巨大なフレットなど随所にSchecterらしさの出ているコスパに優れたモデルだ。
この価格帯ながらペグはしっかりグローバー製。ナットはグラフテックなのも嬉しい。
電装系はガッツリカスタムしてピックアップにはSuhr「V70」を3基、元々のコントロールは1Vol1Toneだったのを1Vol2Toneに変更。リアピックアップにトーンが効くようにした。
弦切れ防止の為、ブリッジサドルもグラフテックに変更。



ここからは3シングルのストラトはメタルで使えるのかと言う話。

結論から言うと、個人的には「使える」と判断した。
冒頭の動画もちゃんとシングルコイルの音を撮った。(ちゃっかりハムのギターで録音したとかでは無い)

今回の動画の使用機材は下記の通り。

SCHECTER ST TYPE 3S (Drop B) → MXR Sugar Drive → Strymon Riverside → BIAS AMP2

セッティングとしては、Riversideである程度のディストーションサウンドを作り(ほぼ全ノブ12時)、ノブ全部12時でちょっと歪ませたSugar Driveでブースト。Riversideから「ラインレベル」で出力してオーディオインターフェースへ入力。BIAS AMP2でプリアンプをキャンセルしたJCM900モデルで使用。

という形。ギター側はリアのトーンを若干絞っている。

ある程度試行錯誤は必要だが、これで充分モダンなメタルに対応するサウンドメイクが可能。

確かにハムバッカーのギターであればいろいろな工夫無しで簡単にメタルサウンドを作れる。

ただ、シングルにはシングルのメリットもある。

まず、ダイナミックレンジが広い。(コンプレッション感が薄い。)特にこのギターのようなノイズレス構造ですら無い純粋なシングルコイルのダイナミックレンジは非常に広く、音の輪郭もハッキリ。
そのため、ここまで(ドロップB)ダウンチューニングをしても音程感が失われず再生される。
音作りによってはハムのギターをダウンチューニングした時よりも音が太く感じる。実際低音も良く出る。
そして演奏に対するレスポンスも非常に良く、ピッキングの強弱など微妙なニュアンスに早く確実に反応してくれる。
強くピッキングすれば音は太く激しく歪み、弱くピッキングすれば細く繊細な音に。
(これは逆に言うとハムバッカー&ハイゲインサウンドに慣れ、脱力ピッキングを意識している人には違和感がすごいはず。)
ちなみにピックアップ自体にハムよりパワーが無いことは紛れもない事実。

自分もメタラーのため元々シングルコイルのギターには偏見があり、
「どうせ派手に歪ませてもイングヴェイ風かリッチー風のサウンドにしかならない」「モダンメタルはハムのギター1択」と思っていたのだが、いざ自分で試してみるとシングルコイルの音作りの奥の深さに驚いた。(同時にしっかり弾くことの難しさにも驚き、イングヴェイの凄さを改めて知る。)

現在のギター業界ではハムのギターでもシングルコイルのようなレンジの広さ、レスポンスの良さなどを目指しているモデルが結構多いので、
それであればいっそのこと思い切ってシングルコイルのギターにチャレンジしてみるのもいいと思う。(ダウンチューニング前提のモダンメタラーであっても)

「ストラト(シングルコイル)でメタルは無理」

これはまだ機材の充実していなかった旧時代のギタリストの作り上げた古い情報なので、
今のギタリスト達には是非自分の目と耳で情報のアップデートをどんどん行ってもらいたい。
せっかく世の中に素晴らしいシングルコイル搭載ギターが沢山存在するのに、偏見でそれらが「一度も試されること無く」購入の選択肢から外れてしまうのはとても勿体ないと思うので。

2021年6月25日金曜日

作ったもの:Light and Dark EP

 


もっと色々なジャンルを作れないか実験的に作ったものを纏めた。4曲。

DTMには正解がない。拘れば拘るほど無限に時間と金を使う。
次は普通にバンドサウンド作ろう。

ざっと曲紹介。

1,Heat Haze
人工知能でピアノフレーズを作成した。ベースとギターは弾いた。
ベースはテンプレ通りにならないようアドリブ感を出そうとした。

2、Black Sky
ベーシストとしてサポートしていたBLACK CREEK DRIVEというバンドを意識した曲。
遅い、重い、暗いをテーマに少しのシンセで自分流のアレンジを加えた。

3、Sand
こちらも人工知能によるピアノフレーズ生成がメイン。
テクノっぽいパーカッションを使ってみたかっただけ。

4,Moon O)))
タイトル通りSunn O)))っぽい曲を作れないか実験してみた。
クリップしないよう気をつけて録音したがミックス段階で普通に音が割れた。
それも味かなと思って普通にそのまま収録した。簡単そうで難しいジャンル。

以上。

2021年6月24日木曜日

【Guitar Cover】 August Burns Red - Meddler と Ibanez MBM1の思い出とか



今回はスマホではなく普通のカメラで撮影した。

このギター (Ibanez / MBM1) は20代にバンドでメインギターにしていたもの。
今はバンドでは6弦レギュラーのストラトタイプを使用しているので無縁になってしまった。

Shadows Fallというアメリカのメタルバンドのリズムギタリスト兼ボーカリスト「Matt Bachand」のシグネイチャーモデルだが、バンドは既に活休(リードギタリストはアンスラックスに加入)、Matt本人もエンドース契約を終了しているので当然生産終了。

ギター自体はIbanezの日本製RGAがベースになっており、
厨ニ感抜群のドクロペイントをはじめ、トップ材無しのマホガニーボディであったり、EMGピックアップ(交換済)だったりとシグネイチャーらしい個性的なモデルだった。

が、多分全然売れなかったと思う。

Shadows Fall自体が日本ではマイナーなバンドであったり、
このギターが普通の日本製RGAに比べるとアホみたいに高い(日本製RGAの定価が12万ちょっと、このギターは24万円!)事もあったのだと思う。

ちなみに自分は某楽器店で中古品を10万円で買った。(当時は格安だと思ったが、スペック考えるとこの値段でも高い...)

このあと海外では価格が抑えられ、シルバーカラーも追加されたMBM2が発売されたようだが、日本では結局売られず。本人のエンドース契約終了とともにMBM自体が姿を消すことになった。

ギターとしてどうだったかと言うと、
現在でも所有しているギターの中で最も弾きやすいギターなのは変わっていない。
長年使ったという事もあるが、ボディの厚み、重さ、ネックの薄さ、ブリッジの形状、コントロールの位置など「まるで自分のシグネイチャーなのではないか」と勘違いしそうなほど自分のプレイスタイルに合っていた。
唯一音だけは満足できなかったので、EMGのJHセットに変更した。

当然MBMシリーズは新品ではもう手に入らないが、
IbanezではRGAシリーズは定期的に新製品が出るので、
気になる方にはぜひそちらをチェックしてもらいたい。