2020年7月10日金曜日

strymon / Riverside レビュー



現代的なドライブサウンドの完成形だと思う。

かつてDamage Controlというエフェクターメーカーがあった。
アホみたいに巨大な筐体に本物の真空管を搭載したペダルを発売し、サウンドクオリティの高さとアホみたいな筐体に魅了された一部のマニアに愛されたメーカー。


プリアンプ「Demonizer」とハイゲインペダルの「Solid Metal」を試したことがあるが、
どちらも非常にサウンドクオリティが高く、筐体の大きさを除けば素晴らしいペダルだった。
大きさ故にボードに収まらないと判断したので買わなかったが今となっては買っておけばよかったと思う...。

そんなDamage Controlが2005年に心機一転して新たなブランド、「strymon」を立ち上げ話題となった。
発売するのは主に空間系ペダルで、そのどれも「音が良い」「筐体サイズが小さめ」「多機能」「操作がシンプル」という事で世界中でたちまち人気に火が付き、一時期はプロ・アマ問わずエフェクトボードに高確率で鎮座する程に普及した。

が、個人的にはDamage Control時代の歪みの音を知っていたので、
歪みが出るのはいつかと楽しみにしていた。

が、一向に発売されず。

ブランド立ち上げから10年ちょっと。2016年にstrymonブランドとして初のドライブペダル、記事タイトルの「Riverside」が発売される。

ようやく出たか。と思ったものの、その間に色々と素晴らしい歪みを手に入れてしまったのでもはや眼中に無く...。

しっかりと試すことができたのは2020年になってから。

ふと思い出して試奏した結果、即買い。
所有する様々な歪みを押しのけ現在はメインの音になっている。

簡潔に言うと"本当の意味で"どんなジャンルでも使える1台。

評価
★良かった点
・DRIVEの可変幅がエグい。ミニスイッチによるゲインステージの変化も併せてちょっと歪むクリーンからハイゲインまでカバー。
・DRIVEノブの位置に応じて内部で様々なパラメーターが変化するため、DRIVEノブがどの位置にあってもちゃんと"使える音"になる。
・ハイゲイン時の音が薄くない。真空管アンプに近い質感。
・イコライザーの効きの良さ。3バンド+ミニスイッチによるミドルブースト。
・ラインレベルでの使用に対応。アンプのリターンへの接続ももちろん可能。
・FAVORITE機能で実質2chとして使用可能。
・内蔵ノイズゲート搭載。これもクオリティ高い。
★微妙な点
・9V DC駆動(250mA以上)だが、専用アダプターを使用せずパワーサプライを使うと機種によっては250mA対応にも関わらず正常に動かなくなる。
・デジタル・アナログ混合のペダルなので、上記同様に劣悪なパワーサプライを使うとノイズが増えると思われる。

ファズ系以外であれば音作りの幅は広く、イコライザーセクションを上手く使いこなせば「○○のアンプっぽい音」という感じで色々と作れる恐ろしい1台。


その後同社から同じく歪み系「Sunset」が発売された。
「Riverside」がアンプっぽい歪みを追求したモデルとすると、
「Sunset」はオーバードライブを徹底的に追求した1台。
様々な伝説的オーバードライブサウンドを再現したりアレンジしたりオリジナルの音を作ったりできる非常に楽しいモデルとなっている。

個人的にはオーバードライブサウンドはほぼ使わないので買っていない。

2020年7月7日火曜日

Source Audio / Collider Delay+Reverb レビュー

Source Audio Collider Delay+Reverb
Source Audio / Collider Delay+Reverb


Sorce Audioの空間系はこれで2台目。
前回購入したのはNemesis Delay。

今回のColliderはなんと同じサイズの筐体にディレイとリバーブを搭載。
それぞれ独立してON・OFFが可能だ。

本体のコントロールがシンプルなので一見するとそこまで多機能には見えない。

が、実際はウルトラ多機能。DUAL DSPは伊達じゃなかった。

サウンドは同社のNemesis DelayとVENTRIS DUAL REVERB。
その中でも人気の高い12種類のサウンドを厳選している。

・Digital Delay
・Analog Delay
・Tape Delay
・Reverse Delay
・Oil Can Delay
・Room Reverb
・Hall Reverb
・True Spring Reverb
・Plate Reverb
・Shimmer Reverb
・E-Dome Reverb
・Swell Reverb

そしてディレイ&リバーブはもちろん、リバーブ&ディレイ(前後変更)、ディレイ&ディレイ、リバーブ&リバーブと組み合わせは自由。

PC、スマホアプリを使用すると隠しパラメーターを操作可能になる。

MIDI不使用でもプリセットの保存、呼び出しが可能。デフォルトではリバーブOFF時に右フットスイッチ長押しで切替可能。

左のディレイON・OFFがタップテンポスイッチとしても利用可能だが、
個人的には扱いにくいので外部フットスイッチを使用している。

MIDI関連は使っていないので評価不能。

-評価-
★良い点
・音質はハイファイで全体的に太めに感じる音。デジタルだがアナログ、テープ系も完成度は高い。
・多機能でありながらも比較的コンパクトで軽量(11.6cm(縦) x 11.1cm(幅) x 5.6cm(高さ/ノブ含む) / 450g)。
・これだけ多機能ながら割と直感的に操作できる。
・9VDC駆動。パワーサプライ側が対応していれば専用アダプター不要。
・ディレイとリバーブの組み合わせの自由度の高さ。
・アプリ、PCソフトによるエディットの楽さ。プリセットの保存、他ユーザーとの共有。
★悪い点
・価格はちょっと高め。
・デフォルトではタップテンポが扱いにくい。
・海外製品なのでPCソフト、アプリは日本語非対応。代理店のマニュアルにも詳細な解説は無し。

価格はちょっと高めとは書いたものの、現状では他メーカーに競合機種もあまりないのでそう感じるだけであり、詰め込まれた機能と音質を考えれば妥当だとも思う。

Sorce Audio自体が日本国内ではマイナーブランド扱いだが、
空間系はどれも非常にクオリティが高く、個人的には同系統で国内でも高い評価を得ているStrymonに匹敵するブランドだと思う。(ただし歪み系はStrymonの圧勝...)

省スペースのディレイ・リバーブの複合機は探すと意外と選択肢が無く、
諦めてマルチストンプなどのマルチを使うという人も多いのではないだろうか。
BOSSコン2台を並べるより省スペースに収まったColliderは良い選択肢になると思う。




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2020年7月6日月曜日

Kawasaki Z250SL



20代前半から5年乗ったKawasaki Ninja250Rにサヨナラ。
自分のバイクとしては初めて買った1台なのでとてもお世話になった。
大ヒットした理由がよく分かる乗りやすいバイクだった。


という事で乗り換え。
Kawasaki Z250SL 2017モデル。
発表されてからずっと気になっていたが気がついたら生産終了。中古でたまたまコンディション良好な1台が出たので迷わず購入した。

140キロ台の鬼のような軽量さにオフ車ベースの単気筒エンジン。
車体は125ccクラスの大きさだろうか。取り回しの良さが素晴らしい。

カタログ上の馬力はNinja250Rに劣るが、20キロ近く軽いこともあり、断然こちらの方が速く感じる。劣るのは最高速だけだろう。

購入した時点でヨシムラのスリップオンマフラーとナイトロンリアサスを搭載したありがたい仕様だった。

音は意外とでかい。


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250ccでも単気筒だからか結構爆音。 #kawasaki #z250sl #ヨシムラ

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これまでの耕運機のようなサウンドと違い、一般的に思い浮かぶバイクの音になった。

エンジンの振動はなかなか激しい。
ETC付けたので高速も走ったが、追い越し車線使うレベルで加速すると吐き気を催すレベルで震える。

走りはスパルタンで、軽量さと値段から初心者向けだと言っている人もいるがこれに多分乗ったこと無い人だろう。
クラッチワークもシビアで雑に繋げばガクガクするし、
発進時はスロットルの加減を間違えると簡単にエンストする。
エンジンブレーキも強烈。ブレーキの効きもめちゃくちゃ良い。
回転数が3000を切ると機嫌が悪くなりガタガタし始める。
徐行するには半クラッチが必須となる。
のんびりトコトコツーリングとか考えてはいけない。

だがトータルで考えるとめちゃくちゃ楽しい。
長距離乗ると疲れるがその分楽しさと充実感がある。

 買ったのは12月。とりあえず半年乗ったが不満らしい不満は無い。
恐らく排ガス規制の影響だろうが、こんないいバイクが生産終了とは勿体無い。

2020年7月5日日曜日

Darkglass Electronics / ALPHA·OMEGA 900 レビュー


ベースアンプ。トランジスタ、最大900ワット。
はっきり言って値段は高め。に見えるが...



これ1台で

・900ワットのグライコ付きトランジスタアンプ
・同社ALPHA·OMEGAディストーション
・同社コンプペダル同等クオリティの1ノブコンプレッサー

が一緒になっているので、よくよく考えるとそんなに高いと思わない。
エフェクター1台でも結構なお値段のブランドなので。

一見すると複雑そうに見えるコントロール部だが、
ディストーション回路を使用しなければグライコと音量しか触るポイントは無い。
こう見えて直感的に音作りが可能。

グライコはベーシストが多用するポイントにセッティングされており扱いやすい。
最大900ワットを誇るパワーアンプは5弦ベースを使用しても余裕の再生。あとはキャビが余裕あればなんの問題もなし。

コンプレッサーは1ノブなのでさすがに細かいセッティングはできないが、
最小でも最大でもちゃんと使える音に仕上がっており、ノイズの増加も感じられない。

最大の売りであるディストーション回路、これはもう好きな人は好きで嫌いな人は嫌いのわかりやすい音。
驚くのはバンドアンサンブルでの馴染み方。
ベース用の歪みあるあるなのだが、歪ませた途端にアンサンブルに埋もれ、
BLENDした原音だけしか聞こえないというパターン...。
このアンプの歪みは歪んだままちゃんと抜けてくる。
かといって他の楽器の邪魔をするような音ではなく(もちろん音作り次第)、ベーシストにとっても他の楽器のプレイヤー、観客にとっても心地よく激しく歪む。

昔はマークベースの500ワットのアンプとエフェクトボードを持ち歩いていたが、
これを買ってからはこれと付属フットスイッチ、クリップチューナーだけで完結するようになった。

重量は約3キロ。素晴らしい。

ラインアウト(DIアウト)にはポスト、プリ2種類を用意、
ポストDIアウト使用時にはキャビネットシミュレーションを使用可能。(ヘッドフォンアウトでも使用可能)
PCと接続してIRの使用も可能だ。

自宅でもライブでも大活躍中である。

小出力のチューブアンプのようなアンプが唸るドライブ感はさすがに再現できないが、
それを求めなければ非常に良い選択肢になると思う。

2020年7月3日金曜日

エフェクターボード2020



バンド活動自粛中なのでひたすら家でギター弾くオッサンと化した。

エフェクターボードの公開なんて音のネタバラシだからバンド本格的に活動したらやめようと思っていたのだが、活動止まってるならいいかと。

セッティングの備忘録も兼ねて。

シグナルチェイン

ワウ(Dunlop JP-95/完全に自宅用)→バッファー(Pete LD-1)→チューナー(TC ポリチューン小)→ラインセレクター(BOSS LS-2)→【クリーンチャンネル&ドライブチャンネル】→ディレイ&リバーブ (SA COLLIDER)→アンプのリターン

・【クリーンチャンネル】コンプ(TC グラビティ小)→プリアンプ(Verocity 13CL小)→マルチ(ZOOM MS70CDR)

・【ドライブチャンネル】ディストーション&オーバードライブ※ラインレベル (Strymon Riverside)

以上。

クリーンチャンネルの要はVerocity 13CL。ダメ元でショップ経由でミニサイズ頼んだら爆速で実現していただいたもの。さすがVerocity。もはやユーザーフレンドリーとかいう次元じゃない。アウトはアンプのリターン差しに限定してもらった。マジックテープ固定前提なので塗装もなし。
こんなサイズなのに繋ぐとバッチリチューブアンプのクリーンサウンド。JC-120愛好家以外は誰でも好きな音のはず。前段のコンプは浅め。後段のマルチは軽めのノイズリダクションとスプリングリバーブ。

ドライブチャンネルはRiversideのみ。
クランチ~ハイゲインディストーションまで幅広く対応。プリセット機能で実質2ch。ノイズゲート付き。インスト・ラインレベル両対応。
恐ろしいのがドライブツマミがどこの位置でも抜群に良い使える音。3Sのストラトでも鬼のハイゲインサウンド作成可能。もう他の歪み試す気も無くなった。

パワーサプライは色々悩んだ末に結局ペダルパワー2。
ノイズが明らかに減った。サウンドクオリティの向上は不明。多分そう簡単に壊れないだろうという安心感はプライスレス。 
電源ケーブルはオヤイデ。音は純正ケーブルに比べて特に変わったとは感じない(糞耳)。
DCケーブルもすべてオヤイデ。音に関してはノーコメント。

他のエフェクター類
・Pete Cornish LD-1 / バッファー。アクティブのギター使ってる時は完全に気分を盛り上げるためのお守りと化していたが、メインギターがパッシブのストラトタイプになってから繋ぐと明らかに音が変わる。本当はボードの出口にも置いて2台で使うと最高らしい。富豪か。

・ちっちゃいポリチューン / チューニングは大事。省スペース。実は挙動がおかしい。全弦同時チューニング機能使うと6弦だけ絶対反応しない。

・BOSS LS-2 / 世の中にスイッチャー、ラインセレクターが溢れてもこいつの代替品は無し。切り替えノイズ無し。便利なチャンネル毎のボリュームコントロール。いつものボス筐体。名機。繋ぐと音痩せするとか言う人も居るが耳が良くて羨ましい。

・Source Audio COLLIDER / ディレイとリバーブの複合機。独立使用可能。高音質、多機能、省スペース。PC接続&専用アプリでエディット可能。日本ではマイナー扱いだが世界規模ではかなりの人気ブランド。

アマチュアバンドマンなので持ち運びの容易さと音質の両立が課題だったが数年かけて理想が出来上がった。