2023年9月15日金曜日

Blackat Guitars HSA 8String

 

Blackat Guitars HSA 8String

また中古で得体の知れないギターを購入した。

Blackat Guitarsというポーランドの工房製。8弦ヘッドレスでシングルカット。
スペックシートも簡素な手書きのメモが1枚入っていただけなので詳細不明な部分も多い。

■判明しているスペック
2010年製
BODY: BURL POPLAR TOP / BLACK Linba Back
Neck: WENGE / PURPLEHEART
Fingerboard: Maple
Fret:Nickel(多分)
P.U: Bear Knuckle Warpig
Weight: 2.85kg
Nut-width: 56.7mm
Multiscale 25.5 "-27"
Control:1vol、1tone、PUセレクター、シリーズ&コイルタップ&パラレル(推測)

と一応充実のスペック。
価格は言わないが新品の相場から考えると格安。



写真ではよくある海外工房特有の高級感溢れる1本。ポーランドといえばMayonesが有名だが、写真でのクオリティは同等。素晴らしい。
実物はどうかと言うと...

木材スペック:素晴らしい
木工技術:低い
配線技術:うんち*1
演奏性:高い
サウンド:良い

個人的に大好きな適当な造りの良い音のギター。
木工や配線などの組み上げ技術は以前紹介したOverloadにすら劣る適当さ。

木工に関してはまあ演奏を妨げるような致命的な箇所はない。
ただし配線。これがヤバい。
アースが1本接続されておらず、弦を抑えてもノイズが消えなかった。
挙げ句ハンダも適当で、配線を少し触っていたら何箇所か外れてしまう始末。

ということでこのギターを買って最初の作業は配線の組み直しとなった。
組み直すついでに余っていた鵺デバイスをインストールした。

ということであまりにも雑な配線が印象の1本だが、
*1:中古で買ったという事もあり、もしかすると前のユーザーが配線を組み直し(そして失敗)した可能性もあるので、この工房は配線技術がダメ、と断定はできないかも知れない。


先に書いた通り使用している木材自体は贅沢で、
ボディバックは黒いサテンで潰しているもののブラックリンバを採用。
ついでにコントロールパネルの蓋にも採用している。
ネックはパープルハートを挟み込んだウェンジ。
ハイエンドベースにもよく利用され、湿度管理さえちゃんとしていれば安定し、強度自体も高い印象だ。
手触りも非常に良く、演奏性自体は高い。


フレットは流行のマルチスケール。
個人的に7弦までは不要かと思っているが、8弦になると圧倒的に弾きやすさが段違い。
細かい傷がある事や少しずつ曇ってきている事もあり、フレットは恐らくニッケルなのが残念ではあるが、
曇るスピードから考えるとジェスカークラスの物が使われていると思われ、フレットサイドの仕上げも許容範囲だ。

ピックアップにはハイエンド系御用達のベアナックル。
多弦ではAftermathあたりが定番だが、こちらはWarpigを採用している。
エクストリームなメタル向け高出力モデルだが、セラミックではなくアルニコVを採用。
確かに出力は高いがクリーントーンもしっかり出せ、コイルタップでストラト&ジャズベースのようなシングルコイルサウンドも得られる。
鵺デバイスを組み合わせた事で更にダイナミックレンジが広がったような印象だ。

ヘッドレスのギター自体が初めての購入だが、
立っても座ってもバランスが良く、とにかく軽い。
8弦であるにも関わらず所有する6弦ストラトタイプより断然軽く、ヘッドレスが人気の理由がよく分かる。

他に所有するIbanez RGA8と比較して、特別音が軽い(低音が出ない)とは思わなかった。

総評としては、Overloadと同じような感想だが、
新品相場の値段で買ったら普通に後悔するレベル。
新品時からなのか、前のユーザーの仕業なのか不明だが、配線に不備があるというエレキギターとしては致命的なマイナスポイントを抱えていたので。

今回はその半額以下の中古価格で買った事や自力で配線を組み直す技術を持っていたことが幸いし、満足度は高い。

マイナーな海外個人工房のギターを買うのはギャンブル。

ちなみに、BlackatのHPSNSもロクに更新されていないようだが、もしや廃業した?



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