2021年7月11日日曜日

Heritage Audio Baby RAM 買った。

 


一見するとギターのエフェクターに見えなくもないが、違う。

これはパッシブ(電源不要)のボリュームコントローラー。(モニターコントローラー)
オーディオインターフェースなどとモニタースピーカーの間に設置し、ボリュームを手元でコントロールする単純な装置。

そんなのパソコンのソフト側で音量落としたりモニタースピーカーのボリュームノブで調整すればいいじゃんと思うかもしれない。

PCオーディオの世界には「ビット落ち」という現象が知られており、
これはPC側のメディアプレイヤーやブラウザ上でデジタル的に音量を下げた場合に極端に言うと音量の低下と同時に音質も劣化するという現象だ。
(ビット落ちに関しては詳しく調べると結構難しい話だったので自分は理解するのを諦めた。)
とりあえずこのデジタルボリュームを絞った際の音質劣化に関しては自分の糞耳でも結構
分かる範囲だった。

そして、モニタースピーカー側の音量。
これに関してはモニタースピーカーの文化というか特性というか風潮というかわからないけれど、ボリュームが非常に触りにくい位置(背面など)にあったり、そもそも調整できない場合が結構ある。
自分は今はi Loudを使用しているが、ボリュームは背面。

という事で、自分は昔からモニターコントローラーを導入している。

以前使っていたのは「SM Pro Audio Nano Patch+」。※現在はJBL名義で売られている。


こちらは非常に安価で省スペース。
自分が買ったときはもっと安かった気がするが、JBL名義になって若干値上がりしたと思う。
コレ自体はそんなに悪いものではなく、電源も不要で省スペースな事を考えるとむしろ良い製品の部類ではないかと思う。

が、自分が感じたNano Patchの欠点として、
・入力側の音量があまりにも大きいとノブを左に回しきってもちょっと音が漏れる。
・書いてある数字がアテにならない気がする。特定の箇所までノブを回すと急に爆音になったりする。
・ミュートボタンは短命。数ヶ月で押しても音が漏れるようになった。
・ノブ9時くらい(-40dbくらい)まで左右の音量バランス若干狂う。

そんなこんなで色々気になっていたので、パッシブの良いモニターコントローラがあれば買い換えようとずっと思っていた。

(買い替えにMackieのBig Knob Passiveも検討していたが、どうやらNanoPatchと同様の欠点を持っている可能性があるので見送った。)

そんな中で発売されたHeritage Audio Baby RAM。
良さそうだな...とは思ったものの、同様の製品の中ではダントツで高額(税込み22000円)なので半年くらい悩んでいた。

今月に入り、中学生のお年玉くらいのボーナスが入ったため、ようやく購入。

結論から言うと「もっと早く買えばよかった。

ファーストインプレッションは「でかい。」Nano Patch3つ分くらいの縦幅。重厚な筐体。この辺はメーカー画像だけだとなかなか想像できない部分だ。

メーカーサイトから引用したスペックは下記の通り。

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●特長

・最高峰のマスターコンソールセクションからインスピレーションを得た、クラシックなデザイン
・ケーブル接続による損失がなく、極めて透明性の高いパッシブ設計
・24ステップのロータリースイッチにより、すべてのアッテネーションポイントにおいて、0.1 dB 以下の精度で優れたステレオイメージングを実現
・電源不要の完全パッシブ仕様
・2系統のステレオペア入出力 : バランス、グランドフリー(アンバランス対応)、金メッキTRS端子
・ミュート、DIM、モノラル・スイッチ
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●仕様

入力チャンネル:2 x ステレオ
出力チャンネル:2 x ステレオ
アナログ入力:4 x 1/4インチTRS
アナログ出力:4 x 1/4インチTRS
電源:不要(パッシブ型)
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以上。用途が用途なので特徴、仕様共にシンプル。

まずはデザイン。これは本当に素晴らしい。いかにもレコーディングスタジオにある高級機器という外見でテンション上がること間違いなし。ちょっと大きいが。

心臓部のボリュームノブ。これは24ステップのロータリースイッチとなっており、クリック感のある仕様だ。音はしないがカチカチという感触で回る。
オーディオインターフェースからの音量をデフォルト(0db)にしてみたが、どのポジションでも音漏れは無く、ステレオ感の狂いも無いと思う。
(Nano Patchで同様の設定をすると最小にしても音が漏れていた。また、ノブを絞りすぎるとステレオ感が狂い問題もあったので、以前はオーディオインターフェースからの音量は-18dbくらいに設定していた。)

ボリュームの可変幅もとても良い。超小(-66db)から最大(0db)まで幅が広く、夜間でも安心して使える。最小音量でも音質が劣化したようには全く感じない。
ミュートスイッチも完璧に消音できる。漏れは一切無い。
音量を半分くらいに落とすDIMスイッチも地味にありがたい。
モノラルスイッチは...自分にはまだ使う用事が無いがちゃんと機能はしていた。
これらのスイッチの押し心地も完璧だ。


自分は使っていないが、入出力も2つずつあるのでソース、モニター切り替えも可能。
ケーブルは1/4インチTRS指定なので注意。当然XLRやRCAはそのままだと使えない。

モニターコントローラーはアクティブタイプの方がヘッドフォンアウトを搭載していたり音量の増幅が出来たりLEDが光ったりなど色々と便利な点はあるが、とにかく最低限の機能で高品質なもの、ボリュームのコントロールが一番の目的、ということであれば現時点で「Baby RAM」が最良の選択肢であることは間違いないだろう。

若干大きいというくらいしか欠点が見つからなかった。


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