2019年1月24日木曜日

BOSS / DS-1X レビュー

歪みエフェクターの革命児。

BOSS DS-1X

世の中の歪みエフェクターに飽き飽きした人へ。
もう2019年、いつまでTS系だのOD-1系だのケンタウロス系だの言って新製品を作るつもりなんだろうか。
歪み系ってクローン、コピー、インスパイアばかりで一体いつになったら「本当の意味で進化」するんだろう。

そんな事を思っていた人も多いはず。

実は既に進化を遂げていた。2014年に王者BOSSの手によって。

それが「DS-1X」と「OD-1X」の2機種。

名機DS-1とOD-1の名前が使われた事で発売前から騒ぎになっていた事を思い出しますが、いざ発売されてみると思ったより反響が無かったと記憶しています。
(あくまで他のBOSS新製品に比べてですが。)

その理由は個人的にこの2種類のXペダルが"デジタル回路"であった事が原因かと思った。

というのもこの業界、いまだに"アナログ支持者"がかなりの数を占めていて、
この2機種に関しても詳細なスペックが発表されると「なんだデジタルかよ。名前に騙された。」という感じの声を多く見かけた。
そして実際に試すことも無く...。というパターンではないかと。

自分自身も発売されてしばらく眼中に無かった。
それは単純にラウド系バンドマンであったから。当時はハイゲインを謳っていないディストーションに用が無かったのである。

今思えば本当に後悔している。発売とともにちゃんと試して買っておくべきだった。

先述したようにアナログ支持者の多いこの世界、特に歪みエフェクターに関してはデジタルといえばLine6に代表されるようなアンプシュミレーター、もしくはマルチエフェクターの内蔵エフェクトが一般的で、コンパクトエフェクターで「これはデジタルの歪みだ」と大々的に謳っていた商品は本当に少ない。

DS-1Xはそんなアナログ至上主義の世界にあえてデジタルらしさを徹底的に求めた1台だ。
名前こそDS-1だが、あのDS-1らしさは微塵もない。
これはBOSSから楽器業界、特に歪みエフェクター界隈への挑戦だと思う。

クリーンなアンプに繋いでツマミをレベル以外12時にして試す。
そこからは驚きの連続だった。
音が似ている歪みエフェクターが思い出せない、というか存在しない。

DISTつまみ12時でかなり歪む。正確には歪んで聞こえる。
これは弾いている側しか分からないのかもしれないが、1弦から6弦まで1フレットから最終フレットまで均等に歪む。
所謂ハイゲインディストーションにありがちなコンプレッション感が限りなく薄い。
ハイゲインなセッティングなのに原音を感じる程にクリアー。音の分離感が異常レベルで良い。
一般的なディストーションではまず有り得ない現象が起こる。
音量を上げるとまさに音の壁を感じた。

ノイズは無いという事は無いが、歪み量を考えると極小の部類。



基本的にハイゲインだが、従来のメタル系とは違う歪み方なので、
DISTツマミの具合で軽いクランチサウンドまで構築可能。
そして中央の2BAND EQ、これは可変幅は広いが正直効き過ぎのレベル。
個人的にはどちらも12時より右には回さないほうが良いと思う。引き算でのイコライジングをオススメしたい。

そしてDS-1X、ディストーションでありながら歪んだアンプへのブースターとしてもいい仕事をする。
アンプの元々の音にリッチな中高域がプラスされ更にゲインアップも図れる。
お陰でトータルの歪み量が増しても音が細くなる印象無し。

単品でも、アンプの歪みや他の歪みエフェクターと組み合わせても大活躍。

歪みエフェクターの世界は止まっているようで実は2014年の時点で確かな進化を遂げていたのである。


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