2019年1月26日土曜日

BOSS / MT-2W レビュー

やったぜ。

BOSS MT-2W

とりあえず歪めば良いと思っている名機メタルゾーンは確か90年とか91年位に登場した。
BOSS製品の中ではDS-1に次ぐ歴代売上を誇る世界的人気モデル。売上のソースはここには無い。

アホほど良く歪み、ノイズも少なくハウリングにも強い。そして異様にEQが良く効く。
挙げ句ミドルは帯域も調整可能とどんなギターを繋いでも僕達を鋼鉄の世界へと導いてくれたメタルゾーン。

そんなメタルゾーンがまさか公式の手で進化しようなんて誰が想像しただろうか。

というのもメタルゾーンはアナログ回路故にモディファイ品が既に多く市場にあったからだ。
有名どころで言えばKeeley。あとはANALOGMANとかWEEDとかSPIとか挙げ出したらキリがない。

だから今更公式が出してくるなんてハッキリ言って異常だ。(褒め言葉)

という事で「BOSS MT-2W metal zone 技 WAZA CRAFT」。どうなのか。

まずは基本的なスペック。

元々BOSSのエフェクターはバッファー搭載だが、技シリーズには新たに設計されたバッファーが搭載されている。
今までのバッファーを原音重視だとすれば、技バッファーは少し音が変わる。
艶が出るというか派手になるというか。多分大体の人が変わったと実感できるはず。

あとは内部のパーツ類も技チームによって厳選された物が搭載されているようだが、
まあ弾き手にとってはどうでも良いよね。使ってるパーツが良くなったとだけ思っておけば。

コントロール的な部分は殆ど従来のメタルゾーンと同一だが、唯一中央下部にピンスイッチが増設されている。

このピンスイッチで...。

・従来のメタルゾーンサウンドがベースのスタンダードモード
・現代的なハイゲインディストーションに進化を遂げたカスタムモード

2つのモードの切り替えが可能だ。やったぜ。


実際弾いてみるとスタンダードモードの時点で結構違う。
確かにメタルゾーンの音なのだが、ノイズが少なく感じる。あとレスポンスも良くなっている。キャラクターとしては個人的にMXR(EVH)の5150オーバードライブを思い出すザクザク感のある音。旧メタルゾーンの音がそのままではないので注意。
それで文句言う人は居ないか。

カスタムモードは素晴らしい。
高級なハイゲインドライブに匹敵するレンジの広さ、そしてノイズの少なさ。
どうやらミドルの帯域もスタンダードとカスタムで変動するらしく、カスタムモードの方がよりモダン系のメタルサウンドが作りやすい。
程良くコンプレッション感を抑えレンジが広がった事で多弦ギターでも低音が殺されない。
EQを使いこなせればDjent的なのもイケそう。
単音を弾いた時にやや音の細さを感じたが、ハイゲインディストーションの宿命でもあるので全然許容範囲。

よく高級な機種にありがちだが、「アンプの歪み」を求めてコンプレッション感を抑えて音をオープンにしすぎると当然弾き手は弾きにくいと感じてしまう。
そしてそういう機種は大体小さなアンプや小さな音量では良い音にならない。
かといって逆にコンプレッション感を強くすると弾きやすいのだが音が細くなってしまう。そしてバンドのアンサンブルに埋もれる。

技メタルゾーンはその調整具合が非常に上手い。

カスタムモードの音はまさに「コンプレッション感を程良く抑えたオープンだけど弾きやすい」音。
自宅でもスタジオでもちゃんと使える音に仕上がっている。

ちなみに「Keeleyのモディファイ品(Twilight Zone)と比べてどうよ」
という声もどっかで聞いたので書いておくと、個人的には技メタルゾーンの方が好き。

Twilight Zoneは3モードで簡潔に書くと

・ローとミドルを強化したメタルゾーン
・もっと歪むローとミドルを強化したメタルゾーン
・コンプレッション感薄めのアンプっぽい歪み

だった。(と思う。)

どのモードも良い音だったが、ちょっと音作りの難易度が高い。
とくに三番目の「コンプレッション感薄めのアンプっぽい歪み」のモードに関しては音がオープンすぎて扱いにくい。確かにアンサンブルの抜けはいいのかもしれないが、単純に「うるせえなコレ」と思ってしまった。

という事で音作りも比較的しやすい技メタルゾーンをおすすめしたい。




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