2019年1月28日月曜日

BOSS / OD-1X レビュー

次世代のデジタルドライブ2回目。

BOSS OD-1X


★一回目はこちら(BOSS / DS-1X レビュー)

業界に蔓延する懐古主義へのBOSSからの挑戦。
あえて過去の名機OD-1の名を冠したのは何故か。

そもそもOD-1とは、1970年台にデビューした業界初(多分)のオーバードライブ。
当時歪みといえばアンプを大音量で無理やり歪ませるか、エフェクター「ファズ」を使うのが一般的だったそうで。
ファズの音が気に食わなければアンプを大音量で歪ませるしか選択肢が無かった。
そんな中でアンプのドライブサウンドをコンパクトエフェクターで再現するという革新的な1台として登場したのがOD-1。

自分は残念ながらその頃まだ産まれていないが、当時ギタリストだったとしたら歓喜したはず。

そしてOD-1は少音量でもアンプのドライブサウンドを実現できる。更に既に歪んだアンプに繋ぐと激しい歪みを作れるという事で大ヒットとなったのは容易に想像できる。

OD-1についてはあんまり語るとマニアから「それは違うだろ!」と突っ込まれそうなのでここまで。

当時産まれてないんで半分推測で物言ってます。許してクレオパトラ

そんなこんなでOD-1Xの話へ進むと、デジタルドライブでありながらもOD-1の名前をつけるという挑戦的姿勢に惚れ込み勝手に期待していた1台。

とはいえいざ発売される頃には熱も冷め、結局購入したのは随分後で、DS-1Xがあまりにも良かったからこっちもいいだろうと中古品をロクに試さず購入。

結論から言うと、これはいいものだ(マ・クベ)

DS-1Xでもドライブを控えめにすればオーバードライブっぽくはなるのだが、
その音とはぜんぜん違う。

コード(和音)を弾いた時のジャキっとした気持ちよさはコチラの方がやはり上。
DS-1Xより歪みがマイルドな分余計にクリアさが際立つ。
デジタルならではのノイズの少なさも良い。

ドライブを全開にすると結構歪むのだが、あくまでもオーバードライブらしさは失わない。そして意外にも音が細くならない。ここまでやるとさすがにノイズは結構乗るが。

2バンドのイコライザーの効きも申し分なし。
そしてDS-1Xと同様、全部の弦、全部のフレットの音に均等さがある。
これはブースターとして使用した時にも活かされるので好きな人は堪らないはず。

シングルコイルPUのギターでのバッキングはまるで波に乗り続けられるサーフィンのよう。(適当)

自分も時間を忘れてカッティングオヤジ化してしまった。


ただ、やっぱり万人受けする音ではない。
ヴィンテージ大好きオジサンはきっと弾いた瞬間に吐く。

オーバードライブはやっぱりナチュラルでちょっとモコッとした音じゃないと...。
っていう人は避けるべき。

しかし、BOSSの次世代へのチャレンジを暖かく見守りたいというのであれば一度は弾いてみて欲しい。

信者の多い機種の名前を冠するという事はメーカーの信頼を失うというリスクを伴う。
「安易に人気機種と同じ名前を付ければ売れると思っているだろ!」てな具合に。

それでもBOSSがこの機種が歴史を塗り替え、次世代のスタンダードとなるよう祈って「OD-1」という名前を付けたのだ。

その心意気を是非感じてみてもらいたいと思った。




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